新しいレンズを買うことを躊躇しているあなたへ
カメラの世界には「レンズ沼」という言葉があります。何万円もするレンズを複数買うと、それとは違うレンズが欲しくなり、それを買うと次が欲しくなり・・・という沼に足を取られるようにそのレンズ購買循環から逃れられなくなってしまう、というものです。この記事はまさにそのレンズ沼へのお誘いということになってしまうかもしれません。でも、こんなにも今までの写真とはまったく違うものが撮れるレンズなら、人生が楽しくなるというメリットのほうが大きいと思うのです。
まず、この写真を見てください。
出典:Flickr Anne Wornerさん
出典:Flickr Cheryl Lindo Jonesさん
素敵ですよね。どうやって撮るの?Photoshopで加工している?
背後にふわーっとゆるやかにボケが出ていて、絵画のような非現実感や優しい陽だまりが表現されています。これらは今日紹介するレンズによって作り出されたものなのです。
Lensbaby社製の交換レンズ「レンズベビー Velvet 56」
このレンズはケンコー・トキナーから発売されているアメリカに本社を置くLensbaby社製の交換レンズ「レンズベビー Velvet 56」です。ニコンF用、キヤノンEF用、ソニーA用、ペンタックスK用がすでに人気を博しており、8月12日に追加してソニー E用、富士フイルムX用、マイクロフォーサーズ用が発売されました。
このソフトなボケ効果は3群4枚の構成で高次球面収差を出すことで表現されるため、後加工での画像処理やソフトフィルター装着時の描写とは違い、レンズ中心部では芯のあるしっかりとした描写をしながら、周辺に行くに従いソフトで立体感のあるボケ描写を実現することができるのです。
出典:Flickr Anne Wornerさん
このレンズでは1枚目のように花や植物、昆虫をマクロ撮影する、2枚目のようにペットや人物のポートレート撮影する、3枚目のように風景を撮影する、とその被写体によって作れる絵が変わっていきます。つまり、工夫次第で独創性のある美しい写真を撮影することができるということです。
レンズを替えるということは画角や望遠、最大絞りの数値を替えるということだけではありません。こういった一味違ったレンズを持つことで、ファインダーを通して新しい写真の可能性を見つけることができるでしょう。
今回の追加レンズによって、ほぼすべての一眼レフカメラとミラーレス一眼レフカメラに対応しています。一点注意したいのは、マニュアルフォーカスのみ、という点です。一度もマニュアルフォーカスを体験したことのない方にはとっつきにくいと感じると思います。
しかしそれは、むしろこのレンズを楽しむための大きな仕掛けと捉えるべきです。ファインダーをのぞいてフォーカスリングを慎重に回して・・・という作業はその写真に「こだわる」という物理的な作業となります。また、結果的にフォーカスが甘くなってしまったとしても、この綺麗なボケで「逆に良い」写真になるでしょう。
詳細情報
売り上げランキング: 303,040
- 焦点距離 56mm
- フォーマット 35mm フルサイズ
- 明るさ F1.6
- 最小絞り F16
- 最短撮影距離 13cm(レンズ先端からの距離)
- 画角 43.3°
- マニュアルフォーカスのみ
- 2015年6月12日発売、追加マウント(ミラーレス用)2015年8月12日発売
- 対応レンズ規格
- ニコンF用
- キヤノンEF用
- ソニーA用
- ペンタックスK用
- ソニーE用
- 富士フイルムX用
- マイクロフォーサーズ用
- 価格 ¥ 54,358 (2015年8月現在Amazon、ニコンF用)
- レンズベビー Velvet 56 公式サイト