豪徳寺は招き猫発祥の地と言われている場所のひとつで、たくさんの人が招福猫を奉納しに来ており、招福猫で棚が埋め尽くされている奉納所の景観は独特なものです。境内は広く静かで、五重塔や井伊直弼の墓などもあり、静かな心を取り戻せるスポットです。
本殿
白の躯体と緑青の銅板屋根が静かな雰囲気を主導しています。
たくさんの招福猫
招福観音という招福猫を祀っている社の隣に招福猫の奉納所があります。ここには参拝客が奉納したおびただしい数の招福猫が正面を向いて鎮座しており、独特の迫力がある空間です。この招福猫は世の中の招き猫のルーツと言われているうちのひとつで、一般に思い浮かべる小判を持った鮮やかな招き猫とは違って何も持っておらず、シンプルな顔立ちは珍しいものです。
その由来は江戸時代にさかのぼります。彦根藩二代目藩主の井伊直孝がこの寺の前を通りかかった際、寺で飼っていた猫が直孝に手招きしたため寺に立ち寄ったところたちまち雷雨になり、直孝が「猫と寺のおかげで雷に打たれずに済んだ」ということで寺に多額の寄進をし、さらにその猫が亡くなった際に「招猫堂」を境内に建て、片手を上げて手招きしている猫を祀ったことがはじまりと言われています。
このことが縁で、寺は井伊家の菩提寺となり、直孝の没後に直孝の院号「久昌院殿豪徳天英居士」にちなんで豪徳寺と改名したそうです。
そのため境内の墓所には井伊家代々の墓が建てられており、その中には井伊直弼の墓もあります。
モミジが多く、紅葉も楽しみ
境内にはモミジが多く、紅葉の時期にはそこかしこで赤く色づいたモミジを楽しめます。